情報確認日:2026年9月27日
「介護情報基盤」という言葉を、国や国保連からのお知らせで見かけるようになりました。
「訪問介護にも関係あるの?」「いつまでに何をすればいいの?」と迷っている管理者・サ責の方も多いと思います。
2026年9月18日の社会保障審議会(介護保険部会)では、全国の約9割にあたる1,545市町村で、2027年度までに利用が始まる見通しが報告されました。
厚生労働省・介護保険部会(第136回)資料3
この記事では、訪問介護事業所に関係する部分に絞って、次の3つを整理します。
- 何が見られるようになり、仕事のどこが楽になるのか
- 自分の市町村はいつから始まるのか
- 市町村の開始を待たずに、今年のうちにやっておくこと
介護情報基盤で、訪問介護事業所は何が見られるようになる?

利用者の負担割合証や要介護認定の状況、ケアプランを、パソコンなどの画面で確認できるようになります。
今は利用者や家族に探してもらったり、市町村へ電話で問い合わせたりしている情報です。
介護情報基盤は、市町村・介護事業所・医療機関・利用者本人が、介護に関する情報を電子的に共有する仕組みです。
事業所は「介護保険資格確認等WEBサービス」(以下、介護WEBサービス)という画面から使います。
国保中央会の事業所向け資料では、仕事の変化が次のように示されています。
国保中央会「介護情報基盤の概要 介護事業所のみなさまへ」
| 仕事の場面 | これまで | これから |
|---|---|---|
| 負担割合証などの確認 | 利用者や家族に探してもらう。更新のたびに自宅で確認する | 画面ですぐに確認できる。更新後の内容も見られる |
| 要介護認定の進み具合 | 結果が遅いと、市町村へ電話や窓口で問い合わせる | 審査中の進み具合を、事業所の職員も画面で確認できる |
| 認定結果 | 自宅に届いた書面で要介護度を確認する | 決まったらすぐに画面で確認できる |
| 住宅改修・福祉用具購入の利用状況 | 電話などで確認する | 事業所が自分で確認できる |
認定調査票や主治医意見書を見られるのは、ケアマネジャーなど一部の職種に限られています。
訪問介護の事業所で主に使うのは、表にある資格の確認や認定の状況、ケアプランの情報です。
見るときは、先に利用者の本人確認をして、介護WEBサービスの利用者一覧に登録します。
基本は、利用者のマイナンバーカードをカードリーダーで読み取る方法です。
カードをかざしてもらうのが難しい場合は、介護保険証の券面の情報を入力して登録する方法もあります。
国保中央会「介護保険資格確認等WEBサービスの利用にあたって」(令和8年7月版)
一部の情報は、利用者の同意があるときに共有されます。
事業所の都合だけで何でも見られる仕組みではありません。
うちの市町村はいつから?
利用できるのは、利用者の住む市町村がデータの移行を終えてからです。
市町村ごとに開始時期が違います。
9月18日の報告では、2026年7月10日時点の市町村ごとの開始時期は次のとおりです。
| 開始の時期 | 市町村の数 |
|---|---|
| 2026年度中 | 416 |
| 2027年度中 | 1,129 |
| 調整中など | 196 |
国は、2028年4月1日までにすべての市町村で使い始めることを目指しています。
自分の事業所に関係する市町村の開始時期は、国保中央会の「介護情報基盤ポータル」で確認できます。
市町村の対応状況を公開するページがあり、調整がつきしだい更新されています。
訪問介護では、隣の市や町の利用者を担当していることも多いと思います。
利用者の住所がある市町村ごとに、開始時期を確かめておきましょう。
同じ事業所の中でも、画面で確認できる利用者と、これまでどおり書面で確認する利用者が、しばらく混ざる時期があります。
市町村より先に、12月までにやること

ケアプランデータ連携システムを使っている事業所は、介護WEBサービスへの利用登録を早めに済ませておきましょう。
市町村の開始時期に関係なく必要な準備です。
ケアプランデータ連携システムは、ケアマネ事業所とサービス事業所の間で、ケアプランの予定や実績をデータでやり取りする仕組みです。
このシステムが、2027年1月をめどに介護情報基盤へ統合され、介護WEBサービスの一機能になります。
厚生労働省は、2026年7月から12月を「引っ越し準備期間」としています。
厚生労働省・介護保険最新情報Vol.1529(2026年7月29日)
今の状況によって、やることが変わります。
| 今の状況 | やること |
|---|---|
| 介護WEBサービスの登録が済んでいる | 追加の登録は不要。統合後はそのままケアプランデータ連携の機能を使える |
| ケアプランデータ連携システムは使っているが、介護WEBサービスは未登録 | 介護WEBサービスへの利用登録をする。統合の直前は問い合わせ窓口の混雑が予想される |
| どちらも使っていない | ケアプランデータ連携システムの導入と、介護WEBサービスの利用登録の両方を進める |
今のケアプランデータ連携システム(パソコンに入れるアプリ版)は、移行後もしばらく動き、その後に終了する予定です。
1月にすぐ使えなくなるわけではありませんが、年末は請求や年末年始のシフト調整で忙しくなります。
秋のうちに登録を済ませておくと安心です。
登録には、介護電子請求受付システムで使っているユーザIDとパスワードが必要です。
事業所の誰が管理しているかを、先に確かめておきましょう。
機器と電子証明書の準備、助成金

介護情報基盤を使うには、電子証明書と、マイナンバーカードを読み取る機器の準備が必要です。
費用の一部は助成金でまかなえます。
準備するものは次のとおりです。
国保中央会「導入準備作業手引き」
- インターネットにつながるパソコン、タブレット、スマートフォン
- 電子証明書(事業所が本物であることを確かめるためのもの)
- マイナンバーカードを読み取るカードリーダー(読み取りに対応したスマートフォンなら不要な場合もある)
- 読み取り用アプリと介護WEBサービスの設定
電子証明書は、電子請求受付システムに直接ログインして請求している事業所や、ケアプランデータ連携システムを使っている事業所なら、すでに入っていることがあります。
介護ソフトを通して請求している事業所などは、新しく取得が必要です。
取得まで1か月ほどかかる場合があるため、早めに確かめておきましょう。
訪問介護は利用者の自宅で使う場面もあります。
手引きでは、自宅で使うなら、かざして読み取る非接触型のカードリーダーが扱いやすいとされています。
Bluetoothでつなぐカードリーダーは使えない機種が多いため、買う前に対応機種を確認してください。
助成金の内容
2026年度は、国保中央会がカードリーダーの購入費と接続サポートの費用を助成しています。
厚生労働省・介護保険部会(第136回)資料3、18ページ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の費用 | カードリーダーの購入費、介護情報基盤との接続サポート(端末設定の支援)の費用 |
| 訪問介護を含む訪問・通所・短期滞在系の上限 | カードリーダー3台まで、合計6.4万円まで(消費税込み) |
| 対象外 | パソコン、タブレット、スマートフォン |
| 申請先 | 介護情報基盤ポータル(事業所のユーザ登録が必要) |
| 2026年度の申請期間 | 2026年5月7日から2027年3月12日まで(予定) |
ケアプランデータ連携システムの接続サポートを、同じ導入支援事業者からまとめて受ける場合は、その費用も対象になります。
導入支援事業者への依頼は必須ではなく、事業所が自分で設定しても問題ありません。
2027年度以降の助成は、まだ決まっていません。
助成を使いたい場合は、2026年度の期間内に申請を済ませる前提で進めましょう。
申請の翌月に審査結果が届き、翌々月に振り込まれる流れです。
介護ソフトの導入などとあわせて整える場合は、都道府県が実施している介護テクノロジー導入支援事業も確認してみてください。
年度末までのチェックリスト
最後に、訪問介護事業所がやることを時期ごとにまとめます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 今すぐ | 利用者が住む市町村の開始時期を、介護情報基盤ポータルで確かめる |
| 今すぐ | 電子請求受付システムのIDとパスワード、電子証明書の有無を確かめる |
| 12月まで | ケアプランデータ連携システムを使っている場合は、介護WEBサービスに利用登録する |
| 2027年3月12日まで(予定) | カードリーダーの購入や接続サポートに助成を使う場合は、申請を済ませる |
| 市町村の開始に合わせて | 利用者への説明と本人確認のしかた、誰が画面を確認するかを決めておく |
利用者への説明には、国保中央会や厚生労働省が周知用のリーフレットやポスターを用意しています。
本人確認や同意には利用者の協力が必要なため、開始前に知ってもらっておくと、現場で慌てずに済みます。
介護情報基盤が始まると、負担割合証を探してもらう、認定の結果を電話で問い合わせるといった、確認のためのやり取りを減らせます。
まずは、12月までの利用登録から始めてみてください。
ケアバディで、事務と調整の手間をもう一段減らす

介護情報基盤は、市町村や医療機関との間の「確認のやり取り」を減らす仕組みです。
一方で、事業所の中には、急な欠勤のシフト調整や、利用者・家族からの電話、関係者への連絡、書類作成といった手間が残ります。
ケアバディは、訪問介護の事務や調整をAIで自動化する業務支援サービスです。
電話の用件確認やシフトの組み直し、書類作成などを任せることで、管理者やサ責が利用者や職員と向き合う時間をつくります。
ケアバディで任せられる仕事は、サービス紹介ページで紹介しています。


コメント