実施記録は、長く書けば伝わるとは限りません。大切なのは、その日に行った支援と、次の担当者へ伝えるべきことが分かるように残すことです。
「特記事項には何を書けばいい?」「いつもと変わらない日も、何か書く必要がある?」。書く内容に迷ったときは、記入欄の役割を分けて考えましょう。
訪問介護では、提供した具体的なサービス内容等の記録が運営基準で求められています。帳票やソフトによって「サービス実施記録」「サービス提供記録」などと呼ばれます。この記事では、記入欄の使い分けと場面別の例文、サ責(サービス提供責任者)が職員へ助言するときのポイントを取り上げます。
長く書くより、記入する欄を使い分ける
実施記録には、日時などの基本情報を書く欄、行った支援にチェックする欄、特記事項を書く欄などがあります。まず、事業所で使っている様式に沿って記入します。
| 記入欄 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 基本情報 | 利用者名、提供日、実際の開始・終了時刻、担当者 |
| 実施内容 | 実際に行った身体介護・生活援助 |
| 特記事項 | 利用者の様子、予定から変更したこと、職員の対応とその後の様子 |
特記事項には、ほかの欄だけでは伝わらないことを補います。たとえば「掃除」のチェックだけでは場所が分からない様式なら、掃除した場所を文章で残します。入浴を予定していたのに行わなかった日は、その理由や対応を書きます。
「何をしたか」は所定の欄に、「それだけでは伝わらないこと」は特記事項に。このように分けると、何を書き足すかを考えやすくなります。
実施記録の書き方が分かる、場面別の例文

以下は書き方を示す架空の例です。実際には、訪問介護計画と事業所の手順に沿って支援し、その日に見聞きしたことを記録します。
掃除:行った場所と内容を書く
居室と台所の床を掃除した場面です。「掃除しました」だけでは、どこを、どのように掃除したかが伝わりません。
居室の床に掃除機をかけ、台所の床を拭いた。
場所と行ったことを書けば、支援の内容が具体的に分かります。これらを記入する欄がすでにある場合は、事業所の記入ルールに沿って使い分けます。
食事介助:本人がしたことと、職員が手伝ったことを書く
本人がスプーンを使って食べ、職員が食器を支えた場面です。
本人はスプーンを使って食べ、職員は食器を支えた。主食は約半分を食べた。
「食事介助を実施」だけでなく、何を手伝ったのかが分かる書き方です。食事量は、実際に見た範囲で記録します。調理や配膳をして退出した場合は、その後にどれだけ食べたかを推測して書き足しません。
入浴の見送り:本人の言葉と、その後の対応を書く
入浴を予定していましたが、本人が希望せず、サ責へ相談して見送った場面です。
本人から「今日はお風呂に入りたくない」との話があった。サ責に電話で報告し、指示を受けて本日の入浴は見送った。本人の希望と本日の対応を、次回の担当者へ申し送った。
「拒否あり」だけでは分からない、本人の意向と職員の対応が伝わります。予定を変えたときは、誰に報告し、どんな指示を受けたかも、実際のやり取りに沿って残します。急ぎの報告は、記録への入力に加えて、事業所で定めた連絡手段で行います。
「変わりなし」の日は、何を書けばいい?
大きな変化がなかった日は、特記事項を埋めるために話を膨らませる必要はありません。事業所の記入ルールに沿い、その日に確認した様子や本人の言葉を残します。
たとえば、訪問時に本人が椅子に座って会話し、予定どおり掃除を行った場面なら、次のように書けます。
訪問時、本人は椅子に座っていた。「昨夜はよく眠れた」との話があった。予定どおり居室の床を掃除した。
「元気そうだった」という印象だけでなく、実際に見た様子や聞いた言葉を記録する例です。本人から聞いたことと、職員が見たことを分けて書くと、読む人も状況をつかみやすくなります。
サ責の「もっと具体的に」を、職員に伝わる言葉にする
記録が分かりにくいときは、足りない情報を一つずつ尋ねます。「もっと詳しく書いて」よりも、何を確認したいかを示した方が、職員も答えやすくなります。
| 確認するポイント | 職員への尋ね方の例 |
|---|---|
| 何をしたか分かるか | 「掃除した場所を教えてください」 |
| 本人の言葉や様子が分かるか | 「そのとき、ご本人は何と話していましたか」 |
| 予定を変えた後の対応が分かるか | 「誰に連絡して、どう対応しましたか」 |

確認した内容で記録を直すときは、事業所の訂正ルールに従います。覚えていないことや確認できないことは、推測で埋めません。
実施記録を確認するときは、「長く書けているか」よりも、「行った支援と、その日の様子が読み取れるか」を見る。職員への助言も、この点に絞ると具体的になります。
記録の確認と職員への助言。その時間を、ケアバディでつくる

職員と一緒に記録を振り返りたくても、日々の連絡や確認で手が回らない。サ責には、記録を読むだけでなく、変更した内容が次の担当者へ伝わっているかを確かめる仕事もあります。
ケアバディは、訪問介護事業所向けのAI業務支援サービスです。記録や申し送りに関する作業を、次のように支えます。
| したいこと | ケアバディでできること |
|---|---|
| 訪問時刻と実績を残したい | ヘルパーがアプリから開始・終了を打刻し、実績を提出できます |
| 打刻・提供記録を確認したい | サ責が管理画面で確認し、理由を残して修正できます |
| 次の担当者へ変更を伝えたい | 申し送りを送り、宛先ごとの確認状況を管理できます |
| 訪問前に申し送りを読んでほしい | ヘルパーがアプリで未確認の申し送りを確認してから、訪問を始める仕組みです |
打刻・提供記録を管理画面で確認し、申し送りの確認状況も把握する。こうした日々の確認や連絡の手間を減らし、職員に具体的な助言をしたり、支援内容を一緒に振り返ったりする時間をつくる。そのための業務改善を、ケアバディが支えます。


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