「これから介護を必要とする人が増えたとき、支える人は足りるのだろうか」と不安を感じる方もいるでしょう。2025年を経て、介護の人材確保は2040年を見据えて考える必要があります。
厚生労働省が2024年に公表した推計では、必要な介護職員数は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人です。2022年度の約215万人と比べ、2040年度には約57万人多い人数が必要とされています。これは必要人数の推計であり、「57万人の不足が確定した」という意味ではありません。
出典:厚生労働省・第9期計画に基づく介護職員の必要数
この記事では、介護業界の将来に不安を抱える方に向けて、2040年を見据えた介護の課題、若者や学生が仕事を知る機会、介護職を選び働き続けるための施策について解説します。
少子高齢化が進んでいながら介護の人材不足も進んでいる日本の現状に不安を感じている方や、介護職に興味を持ちながらも 現状に不安を感じている方にとっては、この記事が役立つ情報源となるでしょう。
ぜひ参考にしてください。
2040年を見据えた高齢化と介護現場の課題

2040年に向けては、高齢化の進行と働く世代の減少が重なり、介護人材の確保が課題となります。ただし、介護需要はすべての地域で同じように増えるわけではなく、地域によって増減や必要なサービスが異なります。
人材不足を若者の関心の低さだけで説明することはできません。給与や勤務体制、身体的・精神的な負担、育成やキャリア形成など、仕事を選び、続けられる環境を合わせて考えることが大切です。
2026年9月30日の介護給付費分科会でも、2040年を見据えたサービス体制、処遇改善、人材の確保・定着、テクノロジーによる業務負担の軽減が議論されています。以下では、若者や学生との接点づくりを中心に、対策を考えていきます。
参考:2027年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)
高齢化社会がもたらす介護の課題

高齢化が進む日本では、介護の課題が深刻化しています。
特に、介護現場での人材不足は大きな問題です。
介護職は高齢者の生活を支える重要な役割を担っていますが、働く世代の減少に加え、待遇や働きやすさの課題もあり、スタッフの確保が難しい状況です。
その背景には、介護の仕事が「過酷」であるというイメージや、給与面での不安が影響しています。
また、学生が介護職を選ばない理由として、他の職種に比べてキャリアパスが見えにくいことが挙げられます。
これを解決するためには、教育機関での「介護職の魅力」を発信し、インターンシップや体験学習を通じて実際の現場を知る機会を増やすことが必要です。
地域社会との連携も重要で、地域の介護施設と協力し、地域住民を巻き込む介護支援活動を推進することで、介護人材の育成を図るべきです。
介護現場での人材不足の実態

介護現場での人材不足は深刻な課題です。必要な人員を確保できなければ、職員の負担が増え、受け入れられる利用者やサービスの提供範囲にも影響する可能性があります。職場ごとの状況を把握し、採用とともに定着に取り組む必要があります。
若者や学生が介護職を選ばない理由として、これらの要因が大きく影響しています。
さらに、介護現場の職場環境や労働条件の改善が急務とされています。
政府や自治体も様々な支援策を講じていますが、現場の声を反映した実効性のある対策が求められています。
介護業界の人材確保は、今後の高齢化社会において避けて通れない重要な課題です。
若者・学生が介護の仕事を知る機会

若者や学生に介護の仕事を知ってもらうことは、将来の担い手を広げる一つの方法です。一方で、関心を持つだけでは採用や定着にはつながりません。仕事の魅力とともに、賃金、勤務時間、研修、キャリア形成を具体的に伝えることが大切です。
介護には「大変な仕事」「低賃金」といったイメージを持つ人もいます。ただし、若者全体が同じ考え方をしていると決めつけることはできません。実際の仕事内容や職場環境を知る機会が少ないと、進路として検討しにくい場合があります。
介護職の魅力や意義を伝える機会が少ないことが、学生が介護職を選ばない一因となっています。
教育機関や地域社会が連携し、介護の現場を体験できるインターンシップや体験学習の機会を増やすことが、若者の関心を高める鍵となるでしょう。
以下で詳しく解説していきます。
若者が介護職を検討するときの課題

若者が介護に興味を持たない理由には、いくつかの要因が考えられます。
まず、介護職のイメージが挙げられます。
介護職を検討する人の中には、介護の仕事を「肉体的に厳しい」や「低賃金」といった印象で捉える人もいます。
また、介護業界は社会的評価が低いと感じる人も多く、そのために興味を持ちにくい傾向があります。
さらに、介護の現場でのキャリアパスが不透明であることも、若者が関心を持たない一因です。
学生時代に介護に触れる機会が少ないことも、興味を持たない理由の一つでしょう。
教育機関での介護職の魅力発信が不足しているため、実際の仕事内容ややりがいを理解する機会が少ないのです。
こうした状況を改善するためには、介護のインターンシップや体験学習を通じて、若者が実際に介護の現場を体感し、理解を深めることが重要です。
学生が介護職を選ばない背景

学生が介護職を検討するときには、給与や勤務体制、心身の負担、資格取得への支援、将来のキャリアなどが気になる点になります。イメージの改善だけでなく、実際に働き続けられる条件を示すことが必要です。学校や事業所が連携し、見学や体験を通じて本人が適性を確かめられる機会をつくることも考えられます。
学生を介護業界に引き込むための施策

学生を介護業界に引き込むためには、彼らが魅力を感じる施策が必要です。
特に、介護職の魅力を伝えることや、実際の現場を体験する機会を提供することで、若者の興味を引きつけることが重要です。
介護業界は、社会貢献度が高く、やりがいのある職場であることを強調することが求められます。
介護業界を進路として考えにくい理由の一つに、仕事の内容や環境についての誤解があります。
介護の仕事は肉体的に厳しいというイメージが先行しがちですが、実際には多様な役割があり、技術や知識を活かせる場面も多いです。
また、給与やキャリアパスについての情報が不足していることも、若者が介護職を選ばない一因です。
例えば、教育機関での介護職の魅力発信や、インターンシップの活用が効果的です。
介護現場の実際を知ることで、学生は自分の適性や興味を確認できます。
以下で詳しく解説していきます。
教育機関での介護職の魅力発信

教育機関での介護職の魅力発信は、学生に対する効果的なアプローチとなります。
高齢化社会が進む中で、介護業界は「人材不足」という深刻な課題に直面しています。
このため、介護職の魅力を伝えることは、若者の関心を引き付ける重要な施策です。
教育機関では、介護の「専門知識」や「技術」を学ぶだけでなく、実際の現場での「やりがい」や「社会貢献」の意義を強調することが求められます。
さらに、介護の現場を体験できるインターンシップや体験学習を通じて、学生がリアルな介護の魅力を感じ取る機会を提供することが大切です。
これにより、介護職を将来のキャリアとして選ぶ学生が増えることが期待されます。
インターンシップや体験学習の活用

インターンシップや体験学習は、介護業界への「若者」や「学生」の関心を高める有効な手段です。
特に、現場での実務経験を通じて、介護の仕事の「魅力」とやりがいを直接感じることができます。
これにより、介護職に対する「理解」が深まり、職業選択の幅を広げるきっかけとなります。
また、インターンシップを通じて、介護現場の「人材不足」に対する解決策の一部としての役割も果たしています。
教育機関と介護施設が連携することで、学生がより実践的な「スキル」を身につけることが可能となり、仕事内容を理解する機会になります。体験参加者に専門職と同じ責任を負わせず、安全と本人の学びに配慮することも必要です。
さらに、体験学習は、介護の現場を知るだけでなく、介護を必要とする高齢者との「コミュニケーション」能力を養う場ともなり得ます。
こうした取り組みは、介護業界の「未来」を担う人材の育成において重要な位置を占めています。
地域社会と連携した介護人材育成の取り組み

地域社会と連携した介護人材育成は、介護業界の人材不足を解決するために重要な取り組みです。
地域の力を活用することで、介護の現場に必要な人材を育成し、地域全体で介護を支える体制を整えることができます。
地域住民が介護に対する理解を深めることで、介護職への関心を高めることが期待されます。
地域社会との連携は、地域住民が直接介護の現場に関わる機会を増やし、介護職の魅力を広める効果があります。
地域の介護施設や住民が協力することで、介護の現場を身近に感じられるようになり、若者や学生が介護職を選ぶきっかけにもなります。
このような取り組みは、地域の活性化にもつながるでしょう。
例えば、地域の介護施設と学校が連携して、学生に介護体験を提供することが考えられます。
具体的には、地域のイベントで介護の重要性を伝える活動や、地域住民が参加する介護支援活動を実施することが挙げられます。
以下で詳しく解説していきます。
地域の介護施設との協力体制

地域の介護施設との協力体制は、介護業界の「人材不足」問題を解決するために重要な要素です。
地域の介護施設と連携することで、若者や学生に介護の現場を実際に体験してもらう機会を提供できます。
これにより、介護職の魅力を直接感じてもらい、興味を持つきっかけを作ることが可能です。
また、地域の施設と教育機関が協力してインターンシッププログラムを実施することで、学生が介護業務の実態を理解しやすくなります。
さらに、地元の介護施設が地域社会と密に連携することで、支援活動を通じて地域住民の理解を深めることもできます。
このような協力体制は、介護業界への若者の関心を高め、将来的な人材育成に繋がるでしょう。
地域全体で介護を支える仕組みを作ることが、持続可能な介護社会の実現に向けた第一歩となります。
地域住民を巻き込む介護支援活動

地域住民を巻き込む介護支援活動では、地域全体で「介護人材不足」に取り組む新たなアプローチが求められています。
特に、若者や学生が介護業界に興味を持ちやすくするためには、地域住民が一丸となって支援することが重要です。
具体的には、地域のイベントやワークショップを通じて、介護の「魅力」や「やりがい」を直接伝える機会を増やすことが効果的です。
また、地域の高齢者と若者が交流できる場を設けることで、若者が介護の現場を身近に感じることができ、自然と興味を持つようになります。
さらに、地域の介護施設と連携し、学生が実際に介護の現場を体験できるインターンシップの機会を提供することも有効です。
これにより、介護の現場を肌で感じることで、学生が将来の職業選択の一つとして介護を考えるきっかけとなるでしょう。
地域全体での支援活動を通じて、介護業界への関心を高め、人材不足の解消につなげることが期待されています。
まとめ
今回は、介護の人材不足に興味を持つ方に向けて、
- 介護業界の深刻な人材不足の現状
- 若者が介護に興味を持たない理由
- 介護業界への若者の関心を高めるための対策
上記について、2040年を見据えた課題と、若者や学生との接点づくりを中心にお話してきました。
2040年度に必要とされる介護職員は約272万人です。人材確保には、新たな担い手を増やすことと、今働く人が続けられる環境を整えることの両方が必要です。若者の関心だけに原因を求めず、処遇・育成・業務負担を一緒に見直していきましょう。
しかし、あなたがこの問題について考え、行動を起こすことで、状況を変える力を持っています。
介護の現場での経験や学びを通じて、社会に貢献する喜びを感じることができるでしょう。
介護職を検討する方は、見学や体験を通じて、仕事内容だけでなく勤務条件や研修体制も確かめてみてください。
事業所や地域には、学ぶ機会を用意するとともに、安心して働き続けられる職場をつくることが求められます。
2040年に向けては、介護の担い手を増やすことと、今働く人が続けられる環境を整えることの両方が欠かせません。
在宅介護を支える人たちの、相棒でいたい
介護の担い手の中でも、高齢の方の家を一軒ずつ訪ねて暮らしを手伝う訪問介護は、とくに人手が足りない仕事の一つです。
このブログを運営しているケアバディは、そうした訪問介護の現場で働く人の「相棒」になるAIサービスを作っています。事業所にかかってくる電話の受付や、急な欠勤のときの代わりの人探し、計画書などの書類づくりをAIで手伝います。
在宅介護に役立つ情報や、介護の現場で進むAI・ITの新しい話を、いま絶賛挑戦中の私たちが公式LINEでお届けします。
ケアバディがどんなサービスかは、こちらで紹介しています。


コメント